深刻化する日本人の孤独問題。あなたの心のゆとりを取り戻すには?

人は、自分の話を聴いてくれる相手がひとりいるだけで安心感を覚え、自己肯定感を高めやすくなります。逆にいえば、ただ話を聴くだけで相手の自己肯定感を高められるということです。

しかし研修講師として起業訪問した際、「普段、話を聴いてくれる人がいますか?」と社員の皆さんに尋ねても「いない」という回答ばかり。現実は厳しいですね。

「それはなぜか?」ということを私なりに考えてみました。結論をいうと、私たちは隣人の声どころか、自分自身の声もちゃんと聞けていないのです。

今日の記事では「自分の心の声に耳を傾ける」ということにテーマにお話をします。目の前で起こることばかりでなく、自分の内に起こることへ意識を傾けることで心のゆとりが生まれ、結果的に孤独感を癒やすことにつながるかもしれません。

顕在化しつつある日本の社会問題「孤独・孤立」

日本は2021年2月、イギリスに次いで世界で2番目となる「孤独・孤立対策担当大臣」の任命を行いました。日本において孤独は深刻な問題で、特に高齢者の間で孤独に端を発す自殺率が増加しています。

私たちマザーズコーチングスクールも孤独問題の解決に貢献するため、子どもの孤独をなくすべく活動中です。

先日も金沢市役所へ足を運び、山野之義 市長を訪ねました。コーチングスクールの有志が小・中学校生向けに提供をスタートした「たいわ室(認定を受けたコーチに30分間、なんでも話せるサービス)」の利用を促すよう、広く呼びかけていただくためです。

また、マザーズコーチングスクール代表による絵本作品『鏡の中のぼく』を授業に活用してほしいこともお伝えしました。

『鏡の中のぼく』は世界の孤独をなくすために描かれた絵本で、特に子育てを頑張っているお母さんに読んでもらいたい一冊です。現在、公式による読み聞かせがYouTubeで見られます。

『鏡の中のぼく』は、鏡に映る自分が唯一の友だちという少年に、ある不思議な出来事が起こる物語です。初めて読んだ時、私は胸が痛くてたまらなくなりました。

マザーズコーチングを学び、実践してきた私でも、自分の声をまだまだ聞けておらず、むしろ自らを傷つける言葉を自分にかけてしまっていた……。そんなことを、絵本は気づかせてくれたのです。

新型コロナウイルスが流行する前は、書店での読み聞かせ活動も積極的に行っていて、涙を浮かべながら耳を傾けてくれるお母さんも少なくありませんでした。

子どもに厳しい言葉をかけているお母さんは、自分にも厳しい傾向があります。

例えば子どもの「できないこと」を指摘しがちなお母さんは「今日もあの家事ができなかった」「仕事をやり残して帰ってきてしまった」と、自分を自ら追い詰めているのです。

あなたを孤独に追いやっているのは、もしかしたらあなた自身かもしれません。ひとりぼっちの自分に気づいたら、優しく声をかけてあげてください。 「よくここまで頑張ってきたね」と。

たった10分のゆとりが息子に与えた影響

息子が3歳の頃、出張で私の帰りが遅くなった日がありました。両親の家に預けていた息子を迎えに行き、「早く洗濯をして、子どもを寝かしつけないと……」と思いを巡らせながら帰路を急いでいたときです。

通りかかった公園に「行きたい」と、息子が言いました。「帰りが遅くなっちゃう」と一瞬ためらったのですが「いや待てよ」とすぐ思い直し、結局「10分だけなら」ということで公園へ向かいました。

当時は夏まっただ中、電灯に照らされた一角でバッタがぴょんぴょん跳ねています。「捕まえよう!」と息子に促され、逃げ回るバッタをどうにかキャッチ。手の中に収めたまま、じっと様子を観察しました。

「目がカプセルみたい」「背中に赤い線があるんだね」と語らいながら、10分という短い時間ではありましたが、夜の公園を楽しみました。

しかし、そんな心のゆとりもほんのつかの間。帰宅するなり「早く寝るよ!」と、いつもの慌ただしい調子に早変わりです。でも、翌日「また行こう」と誘ってくるぐらい、たった10分の公園遊びが息子はすごく楽しかったようでした。

それから1年後の夏のことです。出張から帰ると、息子の虫かごにはいっぱいのバッタと、見たことのない虫たちがひしめいていました。

息子は「ぼく、虫取り名人だよ」と得意げな様子。いつの間にやら虫に興味を持っていたのです。そのきっかけは、もしかしたらあのとき公園で過ごした10分間だったのかもしれません。

それから数年たった今も、息子はバッタを見つけては「夜の公園で一緒に捕まえたよね!」と話しかけてきます。

ささいなことでも親が心にゆとりを持って、子どもと楽しさを共有する。ただそれだけで子どもの心には思い出が根差し、興味の萌芽になるのだな、と実感した出来事でした。

あの夜の公園のように、別の場面でも心穏やかに息子と接していたら、何か別の名人になっていたのかも、と考えたりもします。

最後に

現代社会のお母さんというのは何かと忙しい存在です。移り気な子どもにやきもきしてしまい、つい急かしてしまいがちですよね。しかし、ときどきはふと立ち止まって、「いつもと違う関わり方ができないかな」と意識してみてはいかがでしょうか。

そんな心のゆとりが、子どもにとってはいつまでも記憶に残る体験となり、可能性を広げることにつながるのかもしれません。

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