最近、在宅ワークの推進によって、子どもと過ごす時間が増えたというお母さんが増えています。また、子どもとの時間が増えるということは、それだけコミュニケーションの量も増えるということです。
コミュニケーションが増えることは純粋に良いことですが、会話は楽しいことばかりだけでなく、イライラしてしまうこともあります。
いつもどんな時も、穏やかな気持ちでいたいと思っていても、現実はなかなか難しいですね。
そこで今回の記事では、子どもとの向き合い方について、「感情」と「会話の傾向」というふたつの観点からお伝えしていきます。あなたのお役に立てれば幸いです。
負の感情は放っておかない
イライラしたり、怒ったりすることは誰にでもあります。その一方で、そうした負の感情との付き合い方については、人によって大きな差があります。
一晩寝ればへっちゃらという人がいれば、「どうすれば怒りをコントロールできるでしょうか?」と、深い悩みを私に相談される方も少なくありません。多くの人が日ごろから気にしているテーマなのでしょう。
私の場合はというと、コーチングを学び始めて以降は確実にイライラが減ったものの、やはりゼロにはなっていません。
家で仕事中、息子から「ヨーグルト取ってきて、アイス持ってきて、スプーンもちょうだい」と言われると、さすがに「私も忙しいのに…」とイラっとしてしまうんです。
それが積もり積もると、ついには「もう! あとで!」と強い語調で感情をぶつけてしまいます。
まあ、「怒った」という事実は過去のことであり、クヨクヨしても仕方ありません。気を付けたいのは、その後のリカバリーです。
例えば「あとでね!」と怒ってしまったときには、気持ちが落ち着いてから、子どもの目を見てしっかり気持ちを伝えるようにしています。「ママ、あのときは疲れていたから怒っちゃったんだよ。ごめんね」と。
怒りっぱなしにせず、こんなふうに向き合ってイライラの理由をちゃんと話せば、子どもは「親も完璧じゃないんだ」と分かってくれます。それに自分の中でも、怒りの感情を向けられたことに折り合いをつけられるように思います。
「あの時は…」と私から話すことによって、子どもも自分の気持ちを積極的に話してくれるようになりました。
「怒られた時、イヤな気持ちだった」と振り返ることもあれば、「あの時は褒めてくれてうれしかったよ」と教えてくれることもあります。イライラを振り返ればモヤモヤが晴れますし、嬉しかったことを振り返ると、もっと嬉しくなるものです。
このように、感情のやりとりをその場で終わらせず、親子で振り返る習慣をつけてみてください。だんだん感情との付き合い方が上手になり、自分にとっても相手にとっても、プラスに働きます。
会話の傾向を自覚する
マザーズコーチングスクールを受講してくれた、あるお母さんから「上の子の赤ちゃん返りがひどいので、なんとかしたい」という相談を受けました。保育園の年長組のお姉ちゃんが、妹が生まれたのを機に、わがままになったというのです。
そこで、私はお母さんと共に、上の子とのやりとりを客観的に見つめ直してみました。
発見したのは「赤ちゃん返りが起こり始めてから、会話の中身がお母さんと上の子のことばかりだった」ということ。家族にはお父さんも妹もいるのに、ふたりだけの世界に閉じこもるような話しか、していなかったのです。
この理由は、赤ちゃん返りを起こしている上の子に「とにかく愛情を伝えたい」という気持ちが先行してしまったためでしょう。しかし、お母さん自身は自覚がなかったようで、これに気づいたときはビックリしていました。
「次からはこうしなきゃ」「もっとこんな自分でいたい」と日頃気をつけていても、いつもと同じ考え方・行動を反射的にしてしまう方は多いと思います。コミュニケーションがパターン化しているかどうか発見するのは、難しいことです。
さて、今回のケースでは、自分と上の子のことしか話さないという無意識の会話パターンが、かえって上の子の赤ちゃん返りを助長していたのでしょう。
そこでお母さんは、上の子と話す際に、自分たちふたり以外の人物を登場させるように心がけました。
例えば夕食時、「今ごろ、お父さんは何してると思う?」と、仕事で帰りが遅いお父さんについて話してみたり、「今日は誰と遊んだのかな?」と幼稚園のお友達を登場させてみたり、といったふうに。
本人がおしゃべりできなくとも、下の子だって会話に登場させられます。
「妹の○○ちゃん、こっちを見てるけど、どう感じているかな?」と投げかければ、姉という立場を意識させる、きっかけになるかもしれません。
「子どもへの声かけを変えよう!」と思ったなら、会話の傾向を把握することが最初の一歩。
もちろん、パターン化された会話が絶対的に悪いわけではありません。無理して変えようとするのではなく、今あるものを種にして、新しい視点を加えればいいだけなんです。
あなたのご家庭に、楽しい会話が増えるといいですね。
最後に
もしあなたが「つい子どもに辛く当たってしまう」「育児の自信がなくなってしまった」とお悩みでしたら、ぜひ私の動画講座をお役立てください。
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私 白崎あゆみは北陸放送でアナウンサーを務めた後、現在はマザーズコーチングの公認講師として活動させていただいております。
マザーズコーチングとは、育児・教育に悩むお母さんたちのためのコミュニケーション講座です。これまでに3万人のお母さんが受講し、経済産業省さん、フジテレビさん、旭化成さんといった官公庁・企業が導入した実績があります。
動画講座では、コーチングを通して私が得たこと・学んだことのエッセンスを、あなたのコミュニケーションにも取り入れて頂けます。私の学びが、あなたのお悩みを解決できれば幸いです。